先日、横浜アリーナで開催された角松敏生さんのデビュー45周年ライブへ行ってきました。約30人ものミュージシャンがステージに立ち、一つの音楽を作り上げる姿は圧巻でした。
演奏を聴きながら、改めて思ったことがあります。
建設業は、バンドやオーケストラによく似ている。

音楽には、作曲家がいます。
そして、その曲をまとめる指揮者がいて、それぞれの楽器を演奏するミュージシャンがいます。
マンションリノベーションも同じです。 作曲 = 設計 指揮 = 施工管理 演奏 = 職人
設計だけ良くても、職人さんだけ腕が良くても、いい住まいは完成しません。
それぞれが自分の役割を果たし、一つのチームとして機能して初めて、お客様に喜んでいただける住まいになります。

現場を見ていると、職人さんには、それぞれ担当する「楽器」があるように思います。
大工さんは、建物全体の土台を支えるリズムギター。
電気屋さんは、普段は目立たないけれど、音楽全体を支えるベース。
設備屋さんは、住まいの鼓動をつくるドラム。
クロス屋さんや床職人さんは、空間全体の雰囲気をつくるストリングス。
建具屋さんは、空間に表情やアクセントを与えるサックスやトランペットでしょうか。
どの楽器が一番偉いということはありません。
一つひとつの音が重なって初めて、心に残る音楽になります。
リノベーションも、まったく同じです。


「腕のいい大工さんが一人いれば十分では?」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、マンションリノベーションでは、一人ですべてを担うことはできません。
大工、電気、設備、内装、建具…。
それぞれが専門技術を持ち、お互いの仕事を理解しながら、一つの現場をつくり上げていきます。
そして、腕のいい職人さんほど、自分の仕事だけを見ていません。
「次に入る職人さんが仕事しやすいように。」
「完成したとき、一番きれいに見えるように。」
そんなことを自然に考えながら仕事をされています。
私は、それこそが本当のプロフェッショナルだと思っています。
さらに思うのは、一流の人を集めれば、それだけでいい作品ができるわけではないということです。
一流の演奏家ばかり集めても、指揮者がいなければ演奏はまとまりません。
建設現場も同じです。
工程を組み、それぞれの職人さんが気持ちよく仕事ができるように調整し、お客様の思いと設計者の意図を現場へ正しく伝える。
その役割が施工管理です。
私は、この「指揮者」の役割が、とても大切だと思っています。
当社では、設計と施工管理は社員が担当し、施工は長年一緒に仕事をしてきた信頼できる職人さんにお願いしています。
「外注」と聞くと、不安に思われる方もいるかもしれません。
しかし、私たちが大切にしているのは、「社員かどうか」ではありません。
誰とチームを組み、どんな住まいをつくるか。
そこです。
設計者、施工管理、そして職人さん。
それぞれが自分の役割を理解し、お互いを信頼しているからこそ、いいリノベーションが生まれると考えています。

角松さんは、ライブの途中で何度もメンバー紹介をされます。
45周年ライブでも、一人ひとりの名前を紹介し、「一流のミュージシャンです」と胸を張って紹介され、お客様から大きな拍手が送られていました。
私は、その光景がとても好きです。
主役は角松さんですが、あれだけのライブは、一人では決してつくれません。
だからこそ、ステージを支えるメンバーへの敬意を惜しまないのだと思います。
その姿を見るたびに、私は自分自身に問いかけます。
「自分は、職人さんたちに十分な敬意を払えているだろうか。」
設計者も、施工管理も、職人さんも。
誰一人欠けても、いいリノベーションは完成しません。
私の仕事は、設計図を描くことだけではありません。
職人さんが力を発揮できる環境をつくり、それぞれの技術が一つの作品として調和するようにチームをまとめることです。
ライブの最後、ステージに並ぶ全員へ惜しみない拍手が送られていました。
私も、お引き渡しの日に、お客様が笑顔になり、現場に携わった職人さんたちと「いい仕事だったね」と言い合えるような仕事を積み重ねていきたいと思っています。
いい音楽が、一人では生まれないように。
いいリノベーションも、一人では生まれません。
だからこれからも、設計を磨き、施工管理を磨き、そしてさいたま市で一番だと胸を張って言える職人さんたちと、一流のチームを目指して歩み続けたいと思います。
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